「超知性は10年以内に実現する」孫正義さんが『SoftBank World 2024 特別講演』で語ったこの言葉は、AIが人間社会を大きく変える未来を予感させます。
スピーチを聞いて未来に対して期待を抱いた反面、この変化の波に大きな不安を感じた方も多いのではないでしょうか?
- AIの急速な進化に追いつけず、自分だけ取り残されるのではないか?
- AIに自分の仕事を奪われるのではないか?
- 変化にどう備えれば良いのか?
この記事では、そんな疑問や不安をもつ方に向けて、行動分析学の視点を通じて、AI時代に私たち人間が身につけておきたい行動指針についての考察をお伝えします。
【なぜ】孫正義さんのスピーチについて記事にした理由
スピーチでは、AIが人間の学習や行動原理をどのように模倣し、進化していくのかが語られていました。行動分析学を専門とし、日々AIを活用して支援に取り組む私にとって、このスピーチから数多くの新たな学びと発見を得ることができ、孫正義さんの先を見通す力にただただ驚嘆させられました。
行動分析学とAIの深い関係
孫正義さんがスピーチで触れていた「強化学習」や「報酬」という概念は、行動分析学に由来する考え方です。行動分析学は、人間や動物がどのように学び、行動を変えるかを研究する学問であり、AIもこの仕組みを模倣しています。
AIを遠い存在と感じている方も、その「行動分析学」を通じて人の学習や行動の仕組みの理解を深めることで、AIの学習過程を知ることができれば、AIを身近なものとして捉えやすくなるのではないでしょうか。
人生の目的を達成する手段として、AIを活用すること
私の仕事は、目標達成に悩む経営者やビジネスマンが、確実に行動を起こし、目標を達成できるようサポートすることです。
限られた時間のなかで最大の成果を出すには、目的を明確にし、それを実現する手段としてAIを活用することが非常に有効です。
私自身も、最近では支援の中でAIを活用する機会が増えています。AIから最大限の効果を得るために、活用の仕方について深く考える必要があると以前から感じていました。
そんな中、孫正義さんのスピーチを拝見したことが、自分の考えを深めるきっかけとなりました。その気づきや考察を皆さんにシェアしたいと思います。
孫正義が語る「超知性」とは?スピーチ要約
孫正義さんは「超知性」を、AIが人間の知能を超え、創造的な思考や複雑な問題解決を可能にする新たな次元の知性と定義しました。この「超知性」は10年以内に実現すると予測し、社会やビジネスに革命をもたらすと語っています。
このスピーチは、超知性が実現したAI時代をどう生きるかを考えるうえで多くのヒントを示唆するものでした。
AIについて理解を深める
AIに仕事を奪われることを不安に思う方も少なからずいると思います。
どんな仕事がAIに代替され、どんな仕事が人間に残るのかを考えるためには、AIについての理解を深めることが必要です。
孫正義さんのスピーチでは、AIが人間の学習プロセスを基盤にしていることが語られていました。
私が専門とする「行動分析学」は、まさに人間の学習プロセスを科学的に研究した学問です。この視点を通じて、AIの学習の仕組みを深く理解する手がかりを得られると確信しています。
強化学習のルーツ
孫正義さんのスピーチでは「強化学習」という言葉が登場していました。これはAIが最適な行動を学ぶアルゴリズムを指しますが、その根底には行動分析学で研究されている「行動した後得られる結果が、次の行動に影響を与える」という原理があります。
例えば「相談する」という行動について、
部下が上司に相談したときに、相談内容について的確な返答があり、分からないことが分かるようになるという結果が得られると、相談するという行動の頻度は上がります。
また「相談してくれてありがとう」等、相談できたことを労ったり、感謝したり、称賛したりすることも、相談するという行動の頻度を上げる要素となり得ます。
逆に、相談してもすぐに対応してもらえなかったり、要領を得ない返答が返ってきたりすると、相談するという行動の頻度は下がります。
このように、ある行動の頻度を増やしたい(あるいは減らしたい)場合、行動した後にどういう結果を与えるか(または与えないか)コントロールすることで、望み通りの行動をとらせることができるのです。
報酬について
行動した後の結果すべてが、次の行動に影響を与えるというわけではありません。
例えば、先ほどの「相談してくれてありがとう」という言葉が、次に相談する行動を促進する報酬となる人もいますし、そうでない人もいます。
感謝の言葉が報酬になる人もいれば、お金が報酬として機能しやすい人もいますよね。報酬として何が効果的かは人それぞれ異なるのです。
一方で、孫正義さんのスピーチでは、AIの報酬は一律に「人の幸福」を基準に設定できると語られていました。これが人間とAIの大きな違いの一つと言えるでしょう。
【考察】超知性を活用できる人になるために
私は普段、経営者やビジネスマンが目標達成に必要な行動をとることができるよう支援しています。その過程で、最近ではAIの活用を選択肢として取り入れることも増えてきました。
実際にAIを活用している経験を踏まえ、超知性を活用できる人になるために身につけておきたい行動について、考察したことをシェアさせていただきます。
目的と手段を分けることができる
AIの活用は、目的を達成するための手段です。しかし、AIを活用すること自体が目的化してしまうと、その進化のスピードに振り回され、方向性を見失いかねません。
「何のために、超知性をもつAIを活用するのか」
この問いを常に意識し、自分の目指す未来を明確に言葉にすることが大切です。
この明確さを持つことで、AIの進化が加速しても、その変化に適応し、目的を達成するためにAIを活用する側に回ることができます。
手段と目的を混同しない視点が、AI時代をリードする人材に求められる重要な力の一つです。
目的達成のために「弱み」と認識している部分にも向き合える
孫正義さんのスピーチでは、ライフログを活用する超知性AIについても語られていました。これは、私たちの会話や行動を記録し、個人に最適な支援を提供するものです。しかし、この話を聞いて「監視されているようで嫌だ」と感じる方もいるでしょう。
私もお客様の行動の仕組みを分析するために、行動記録を取っていただくことがあります。この記録には当然自分にとって都合の悪い記録も含まれます。それでも目的達成のために記録を続けられる方は、目的が明確で、課題に向き合う姿勢を持っていることが特徴です。
そこに抵抗感がある方をサポートする場合は、まず「何のために記録するのか」を明確にし、少しずつ慣れていく練習を取り入れています。
自分の弱点として認識している部分に真摯に向き合い、それを乗り越える行動を取れる人こそ、AI時代の進化に柔軟に適応し、成長し続けることができるでしょう。
超知性が実現する未来への希望
何のためにAIを活用するのか。その目的を自分の中で明確に持てない場合、AIの進化は脅威に映るかもしれません。
しかし、目的を明確にし、その目的達成の手段としてAIを活用することで、AIは強力なパートナーとなりえます。
例えば、AIを活用することで時間や業務を効率化し、本当に大切なことに集中できるようになります。また、個人の力では実現が難しい目標に到達できる可能性を広げてくれるでしょう。
孫正義さんが語る「超知性」は、ポイントを押さえて正しく理解し、適切に活用すれば、あなたの人生の可能性を無限に広げてくれる存在です。
これからの未来、AIの進化とともにあなたの可能性を最大限に引き出すために、目的を明確に持ち、行動を続けていきましょう。
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