こんにちは。行動分析学の専門家、手島栞です。目標を立てて行動をしても、いつも途中で挫折してしまう…。そんなお悩みを抱えている方に向けて、行動しやすくなるためのヒントをお伝えしています。
「やるべきことは、ちゃんとこなしてる。だけど、なぜか満たされない」
「将来につながる時間を過ごしたいのに、いつも“今”に飲み込まれてしまう気がする」
そんなモヤモヤを抱えたまま、気づけば今日も一日が終わっている。
ふと、「この時間の使い方、本当にこれでいいんだろうか?」と思う瞬間があるなら——
それはきっと、時間に追われる日々から卒業するタイミングなのかもしれません。
時間は、誰にとっても1日24時間。
平等に与えられているはずなのに、そこに感じる“差”はどこから生まれるのか。
それは、「どんな行動を選ぶか」「どこに力を注ぐか」によって、
積み重なる未来がまったく違ってくるからです。
この記事では、あなた自身の価値観と向き合いながら、
行動分析学の視点をもとに、「後悔しない時間の使い方」へ切り替える5つのステップをお届けします。
時間の使い方を変えることは、人生の質を変えること。
その第一歩が、あなたの未来に“確かな余白”と満足感をもたらすはずです。
良い時間の使い方・悪い時間の使い方とは?

最近、「良い時間の使い方ができたな」と思えた瞬間、ありましたか?
「今日は何してたんだろう…」と、少し後悔が残っている日が続いているでしょうか?
そもそも、「良い時間の使い方」って何でしょう?
反対に、「悪い時間の使い方」とは、どんな状態を指すのでしょうか?
行動基準=“後悔の有無”
たとえば、1時間スマホを見続けていたとします。
この時間を「ちょうど良い息抜きだった」と思える人もいれば、
「また無駄に過ごしてしまった…」と後悔する人もいるでしょう。
行動は同じでも、感じ方は人それぞれ。
つまり、「良いか悪いか」の判断基準は、自分の中にあるのです。
もし心のどこかで「これでよかったのかな…?」と引っかかっているなら、
それは、自分にとって納得のいく時間ではなかったのかもしれません。
一方で、たとえ目に見える成果がなくても…
- 考えを整理する時間にできた
- あえて仕事を止めて、家族とゆっくり過ごした
- 誰にも評価されないけど、未来のために仕組みづくりに取り組んだ
こうした時間は、あなた自身の中に「意味があった」と思えるなら、十分に価値のある時間です。
どんな時間の使い方が理想? まずは疑ってみよう

ここでひとつ立ち止まって考えてみてください。
あなたが「後悔しない時間の使い方」だと思っているもの…
それって、そもそも誰の基準で生まれた理想なのでしょうか?
理想イメージは本当に自分に合っているか
「理想的な1日」と聞いて、あなたはどんな日を思い浮かべますか?
- 朝5時起きで運動と瞑想
- 会議ゼロで集中できる、静かな1日
- 全てを自分でこなして、タスクが心地よく流れていく日
そんな、どこかで見たような「理想像」が頭に浮かんだ方も多いのではないでしょうか。
SNSやビジネス書の成功例、あるいは「昔の自分」が輝いていた時期。
でも、ちょっと待ってください。
その理想、今のあなたに本当にフィットしていますか?
仕事の量、体力、家族との時間、役割、価値観…
あの頃とは、いろんな条件が違っているかもしれません。
「昔はできていたのに」と、過去の自分にしがみついていないでしょうか?
「○○さんがやってたから」と、他人のスタイルを無理に取り入れていないでしょうか?
理想を疑うことは、理想を手放すことではありません。
本当に「自分に合った理想」を見つけ直すための、最初のステップです。
なぜ理想を追い求めるのか
行動分析学では、行動が続くためには「報酬」が必要だと考えます。
ここでいう報酬とは、「やってよかった」「意味があった」と思える実感のこと。
つまり…
掲げた理想の時間の使い方が、
- 自分が本当に得たい未来につながっているか
- 今の自分の価値観とちゃんと噛み合っているか
- 「これができたら、私は満たされる」と心から思えるか
そう感じられるものでなければ、どんなに努力しても行動は長続きしません。
理想を持つことは、もちろん大切です。
でも、それが「誰かの理想のコピー」になっていないかどうか。
ここを見直すことで、「やってるのに満たされない」時間のループから、抜け出すことができます。
現在の時間の使い方を“客観的に”把握する

理想の時間の使い方に近づくためには、まず「現実を正確に知ること」から。
どんなに素晴らしい未来図を描いても、今どこに立っているかが曖昧では、そこにたどり着く道は見えてきません。
主観的な自己評価の落とし穴
「今日はなんとなく生産的だった気がする」
「午前中はたぶん集中できてた…はず」
そんなふうに、なんとなくの感覚で1日を振り返っていませんか?
でも、時間の使い方を本気で見直したいなら、「気がする」では足りません。
主観だけに頼っていると、実際の行動とズレたまま改善に取りかかってしまい、
結局「なんかモヤモヤする…」状態が続いてしまうんです。
特に、こんな状態のときは要注意。
- 忙しいはずなのに、なぜか何も進んだ気がしない
- 不満はあるけれど、具体的に何が問題なのか分からない
- どこから直せばいいか、いまいちピンとこない
こうなると、問題の輪郭が曖昧なままなので、出てくる解決策も曖昧になりがちです。
だからこそ、「今、自分は何に時間を使っているのか?」を客観的に把握する必要があります。
実際の行動を記録しよう
まずは、1日のうち「何に」「どれだけ」時間を使っているかを記録してみましょう。
きっちりじゃなくて大丈夫。ざっくりでOKです。
たとえば、こんな方法があります。
- 30分単位で簡単にメモを取る
- スケジュール帳を振り返って、実際にやったことを書き出す
- タイムトラッキングアプリを使ってログを取る(例:Toggl、aTimeLoggerなど)
- 「会話/作業/スマホ/移動」など、大まかなカテゴリに分けるだけでも◎
目的は、理想的な1日を演出することではありません。
むしろ、無意識に「すり減っていた時間」に気づくことが大事なんです。
たとえば、
- 「ちょっとだけ」のつもりだったSNSが30分
- 切り替えのつもりでYouTubeを見ていたら1時間
- 作業に入る前に、15分うだうだしていた
こうした小さな積み重ねが、意外と大きな時間のロスになっていることも少なくありません。
時間の使い方ではなく、“行動”に焦点を当てよう

ここまでで、理想の時間の過ごし方を考えたり、実際の行動を記録して「自分は何に時間を使っているのか?」を整理してきました。
おそらく、多くの方がこう感じたのではないでしょうか。
「思った以上に、無意識の行動で時間が埋まっていた」と。
ここから先は、「時間をどう使うか」ではなく、
「どんな行動を選ぶか」という視点に切り替えていきましょう。
時間とはただの「器」。
その器に何を入れるか…つまり、どんな行動を選び、積み重ねるかで、
その時間の意味や価値は大きく変わっていきます。
時間の使い方=行動の選び方
「時間の使い方を変えたい」と思ったとき、
多くの人がまず取り組むのは、スケジュール帳の整理やタスク管理ツールの導入かもしれません。
もちろん、それも大切な一歩です。
でも実は、その前に見直すべきなのが、
「どんな行動を選んでいるか?」という視点です。
時間は、誰にとっても平等に1日24時間。
けれど、その時間の使い方には大きな差があります。
その違いを生んでいるのは、特別な能力や知識ではなく、
日々の小さな「行動選択」の積み重ねに他なりません。
時間を変えるには、行動の設計を変える
「あの人は時間の使い方がうまいよね」と言われる人がいます。
でも、その人が何か特別な時間術を持っているわけではないんです。
実際は…
- やるべき行動をきちんと見極めている
- 優先度の低い行動をそぎ落としている
- 目的に沿った行動を、日常の中に組み込んでいる
つまり、行動の取捨選択がうまい人なんですね。
時間を変えるには、時間そのものを増やす必要はありません。
必要なのは、「どんな行動を選び、どう積み重ねるか」を見直すことです。
「やることは多いのに、やりたいことに手が回らない」
そんな感覚から抜け出すには、まず自分の行動を「設計し直す」ことが、根本的なアプローチになります。
具体的アクション:時間の使い方を変えるステップ

この章では、「行動を実際に変える」ための、シンプルで再現性の高い3つのステップをお伝えします。
一気に変える必要はありません。
小さく始めて、確実に。
少しずつ、自分の時間を“取り戻す”道のりを歩んでいきましょう。
①やめる行動・取り入れる行動を具体化する
まずは、「何をやめるか」「何を取り入れるか」をハッキリさせることが、最初の一歩です。
なんとなくの目標では、気づけば元の行動に引き戻されてしまいます。
たとえば…
- 「SNSを減らす」ではなく →「10時と18時の2回だけ開く」
- 「考える時間を増やす」ではなく →「朝食後に10分、ノートに思考を書き出す」
こうして行動を「いつ・どこで・どうやって」実行するかまで落とし込むことで、
習慣が「実行可能な形」になっていきます。
最初は小さくていいんです。
「ひとつやめて、ひとつ足す」。
それだけでも、時間の流れは確実に変わり始めます。
②小さなPDCAで習慣をアップデートする
どんなに意志が強い人でも、完璧な行動をいきなり続けるのは難しいもの。
だからこそおすすめしたいのが、小さなPDCAサイクルを回すことです。
- Plan:「朝食後に10分、ノートに思考を書き出す」と決める
- Do:1週間試してみる
- Check:できた日・できなかった日、それぞれの理由を振り返る
- Act:改善策を考え、次週に活かす(例:開始時間を10分早める、朝食後ではなく朝食前にする、カフェでやってみる)
このサイクルを回していくことで、うまくいかない日があっても立て直せます。
習慣は、微調整しながら育てていくもの。
「続けられる形」に整えていくことが、いちばんの近道です。
PDCAの回し方について詳しく解説した記事がこちらになります。
③定期的に“時間の使い方”を棚卸しする
人は変化する生きものです。
新しい行動を取り入れても、環境や状況が変われば、また前のパターンに戻ってしまうこともあります。
だからこそ大切なのが、定期的な「棚卸し」の時間です。
たとえば、週に1回や月に1度、時間を取ってこんな問いを自分に投げかけてみましょう。
- この1週間で減らせた行動、増やせた行動は何か?
- 後悔が残ったとしたら、その原因はどこにあったか?
- 来週、どんな行動に置き換えてみたいか?
さらに、「この行動って、自分にとってどんな価値があるのか?」
そんな視点を持つと、行動を続ける原動力にもつながります。
振り返りと調整を続けることで、
あなたの1日は、ただ流れる時間から、選び取った時間へと変わっていきます。
この積み重ねが、未来の「時間が足りない」を着実に減らしてくれるはずです。
まとめ:時間の使い方を変える=行動を選ぶこと

時間は1日24時間、誰にとっても平等です。
でも、その中でどんな行動を選び、どこに力を注ぐかによって、積み重なる未来は大きく変わっていきます。
「もっと頑張る」ではなく、
「自分にとって納得できる行動を、どう選ぶか」という視点を持ち、納得できない行動を減らし、納得できる行動を増やしてみてください。
焦らなくても大丈夫です。
少しずつ、自分の時間に納得を取り戻すことで、
気づけばあなたの一日は、もっと意味のあるものに変わっていきます。
時間に追われるのではなく、時間を味方につける生き方へ。
そのスタートは、「行動を選び直すこと」からはじまります。
専門家に相談することの重要性:行動分析学で時間を取り戻す
無意識の行動や習慣は、自分ひとりではなかなか気づけないものです。
行動分析学の専門家がサポートに入ることで、価値観・目標・行動の記録をもとに、行動の棚卸しや新しい行動の設計を客観的に進めることができます。
「時間の使い方を根本から見直したい」
そう感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。
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