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発達障害のある経営者だけが活かせる逆転の強み:ADHD・ASDをビジネスに活かす3つの秘訣とは

こんにちは。行動分析学の専門家、手島栞です。

経営者として事業のかじ取りをするなかで、「本当はやらなきゃいけないと分かっていても、なかなか行動に移せない…」「集中したいのに、次々と新しいことが頭に浮かんで手が止まってしまう…」といった悩みを抱えていませんか?

実際、発達障害(ADHDやASDなど)の診断を受けている方や、「自分もそうかも…」と感じている起業家・経営者は少なくありません。自分の特性が経営の足かせになるのではと、不安になってしまうこともあるでしょう。

しかし、ADHDの“衝動性”やASDの“こだわり”は、一見するとタスク管理やコミュニケーションの障害になりがちな一方で、新たなアイデアを生み出す力や深い探究心など、ビジネスの現場で武器にもなり得る特徴です。

今回の記事では、こうした特性をどのように活かし、苦手と感じる部分をどう補強すれば成果につながるのかを解説します。あなたの個性を、経営のブレーキではなくエンジンへ変えていくための具体策と成功事例を、一緒に見つけていきましょう。

ADHD(注意欠如・多動症)の特性と経営への活かし方

「気になることが多すぎて、優先順位づけが苦手」「思いついたら即行動してしまい、周囲がついてこれない」ADHDならではの“落とし穴”に心当たりがある方も多いかもしれません。

でも実は、その“思いついたら即行動”こそが、ビジネスに変革を起こすエネルギー源になることもあります。まずはADHDの基本的な特徴と、どう活かせるかを掘り下げてみましょう。

ADHDとは? 基本的な特徴

ADHDは「注意力の散漫」「多動性」「衝動性」を主な特徴とする発達障害です。

これらの特性がすべて揃っている場合もあれば、どれか一つだけ顕著な場合もあります。濃淡も人それぞれなので、「完全に当てはまる」「一部だけ当てはまる」などバリエーションが豊富です。

ADHDの特性をもつ方の行動傾向として、仕事の現場では、集中力が途切れやすい、打ち合わせ中にじっとしていられない、タスクを思いつくままに始めてしまう――といった行動が目立つかもしれません。経営の場面では、「タスクの抜け漏れが多い」「突然新規プロジェクトを立ち上げたはいいが、途中で投げ出してしまう」といった形で表面化しやすいでしょう。

ADHDが起業や経営に活きる理由

一方で、ADHDならではの「行動が速い」「次々と新しいアイデアが湧く」といった傾向は、起業や経営の現場で大きな強みになることがあります。予測不能な状況で柔軟に動ける力や、型にはまらない思考、好奇心が強くいろいろ試してみる姿勢は、ビジネスの新しい芽を作り出す原動力にもなるのです。思いついたら即実行できるフットワークの軽さが、今までにないサービスや製品を生み出す可能性を大いに秘めています。

また、ADHDの方の中には「人を惹きつける魅力がある」「情緒が豊かで情熱的」と感じられるケースも少なくありません。これは、感情の起伏や衝動性がポジティブに表現された結果、周囲から見ると人間味あふれる熱い側面として映るためだと考えられます。

このように、ADHDには勢いとアイデアだけでなく、カリスマ的な魅力がプラスに働く面もあり、経営において大きな武器となり得ます。

ただし、こうした面がすべてのADHDの方に当てはまるわけではない点には留意が必要です。個人差をふまえたうえで、強みとして発揮される場合も多いという理解で捉えておいていただければと思います。

ADHDの状態像と類似する障害

ADHDのように見えても、実はうつ病や自己愛性パーソナリティ障害など、別の要因が背景にある場合もあります。ストレスが極度にかかると誰でも注意力が散漫になりがちですし、心の健康が損なわれていると集中力の低下やマインドワンダリングが強くなることもあります。

もし「自分はADHDかも」と感じるなら、まずは自己診断に走らず、一度医療機関で専門の医師に相談するのがおすすめです。診断基準に基づく総合的な判断であれば、正しいアプローチが見つけやすくなりますし、必要に応じて心のケアも含めた対処を行えるようになります。

ASD(自閉症スペクトラム)の特性と経営への活かし方

「細かなところまでこだわりがある」「周囲の意見を聞くよりも、自分の理想を追求したい」――ASDのこのような傾向は、人間関係や社内調整で苦労する一方、専門分野に対する集中力や分析力が大きな強みとなることがあります。経営者としては、「商品やサービスの質を高める力」として発揮できるかもしれません。ここではASDの特徴と、経営に役立てるポイントを探ります。

ASDとは? 基本的な特徴

ASDは、大きく分けて以下の三つの行動上の特徴をもつと言われています。

社会的相互作用の障害

「相手とどう関係を築き合うか」にかかわる双方向のやりとりや感情的な交流の障害です。相手との感情や意図を共有し合い、関係を築く過程で混乱や戸惑いが生じやすい傾向にあります。たとえば共同作業でタイミングを合わせづらい、一方的か相手任せになり、信頼関係を深めにくいなどの難しさがあります。

経営の場面では、部下との信頼関係を築きにくく、交渉や意思決定に支障が生じ、混乱が起こり、大きな影響が及ぶ場合があります。

社会的コミュニケーションの障害

言語・非言語のコミュニケーション技術を習得することが難しく、相手の意図や冗談を理解しにくい傾向があります。表情や声の調整も苦手な場合があり、やりとりを柔軟に変えるのが難しいため、意思疎通全般に難しさが生じる可能性があります。

経営の場面では、取引先や部下との交渉・意思決定で、相手の意図をくみ取れず誤解が生じやすくなることがあります。表情や声の変化を把握しにくく、適切な言葉を選べないため、組織運営に支障を来す場合もあります。

繰り返し行動や限定された興味

「同じ行動やルーティンへのこだわり」「特定の分野への強い集中力」として表れることが多く、これらは大きな安心感や安定感を得る手段になります。一方で、周囲がその特性を理解せずに無理に変えようとすると、大きなストレスや混乱を引き起こします。

経営の場面では、特定の分野への強いこだわりや、ルーティンの崩れへの抵抗感が大きいです。臨機応変な戦略の変更が難しく、意思決定が偏りやすい結果、組織全体の成長を阻む要因となる可能性があります。

ASDが起業や経営に活きる理由

ASDの方は、興味のある分野に対して非常に深く掘り下げられるので、専門性が必要な事業で大きな成功を収めやすい傾向にあります。規則性やルーチンを重視する姿勢が、ビジネスの安定感にもつながるはずです。また、「他の人には見えないこだわりポイント」に着目して、独自のイノベーションを生み出す可能性も大いにあります。

ASDの状態像と類似する障害

こだわりの強さ=ASDのように捉われがちですが、ADHDの特性をもっていてもこだわりが強いと感じられることがあります。

また、うつ病や強迫神経症の症状で、不安が生じやすい場合、一つのことに固執する行動傾向を持つことがあります。

こだわりが強いからASDであると、安易に判断するのはリスクがあります。もし「自分はASDかも」と感じるなら、ADHD同様、自己診断に走らず医療機関で専門の医師に相談するのがおすすめです。

ADHDとASDはそれぞれ異なる──しかし個人差がさらに大きい

「ADHDはこう」「ASDはこう」と言われると、自分に当てはまっているかどうか気になってしまうかもしれません。でも実際には、同じ診断名でも特性は人それぞれ。ADHDらしさとASDらしさの両方をあわせ持っている方や、診断名とは違う方向で得意・不得意がはっきりしている方もいます。

特に大人になってから気づく場合は、子どもの頃の環境や過去のトラウマなど、別の要因が絡んでいることも。

大事なのは「自分はどのような特徴が強いのか?」「経営のどこで問題が起きやすいのか?」を客観的に見つめ、最適な対策を打つことです。

発達障害以外が原因のケースも?「全ての不調をADHD/ASDのせいにしない」視点

ADHDやASDそれぞれの章で少し触れましたが、経営者として集中力やコミュニケーションに悩みを感じたとき、その原因をすべて「発達障害」にしてしまうのは危険かもしれません。ビジネスがうまくいかない原因は、チーム内の人間関係や戦略のミスマッチ、単純な睡眠不足など、別のところにあることもあるからです。

過度のストレスやメンタル不調は、本来の特性をさらに悪化させる場合もあります。もし悩みが深刻化しているなら、専門家や医療機関に相談して正確な状況を把握することが大切です。

上手くいかない場面を乗り越えるための具体策

ADHDやASDの特徴が強く行動に現れると「自分には経営は向いてないのかも…」と落ち込むことがあるかもしれません。しかし、工夫次第で特性を活かしつつ、上手くいかない場面を回避する方法はたくさんあります。ここでは主な対策を3つご紹介します。

仲間・チームビルディングが鍵

苦手な部分を補えるパートナーやスタッフを見つけるのは、経営で成功するうえで重要なポイント。ADHDでタスク管理が苦手なら、その部分をしっかりサポートしてくれる右腕を探しましょう。ASDでコミュニケーションが苦手なら、対外的な折衝を任せられるスタッフがいると安心です。信頼できる助言者やメンターも、衝動的な決定を抑えたり、一人で悩まず相談できる相手として心強いでしょう。

仕組みづくりの徹底

特性をカバーするためには、個人の努力だけでは限界があります。得意な行動傾向を活用できる仕事を積極的に選ぶこと、仕事の進め方についてスケジュール管理ツールやタスク管理システムを導入し、苦手を補う仕組みづくりを徹底するのは大事な視点です。

自己理解を深める

完璧な人間はいません。障害の有無にかかわらず「自分はどんな状況で力を発揮し、どんなときにミスが多いのか?」を明確に把握することは、経営者として大きな有利になります。

人の行動を科学的に解明した学問である「行動分析学」を応用すれば、障害の枠組みだけにとらわれず、より個別的な行動傾向を深く理解しやすくなります。

自分の特性を客観的に分析すれば、「掲げた目標を達成するためには、どのような行動が必要で、どのような手段を使えばいいのか」を見つける作業が格段にスムーズになるでしょう。

有名経営者に学ぶADHD・ASDの成功事例

実は有名な起業家の中にもADHDやASDの特性を持つ方が多数います。彼らはどのように弱みをカバーし、強みを活かしてビジネスを成功させたのでしょうか。

ADHDの特性を活かした実例

リチャード・ブランソン(Virginグループ創業者)
型破りなアイデアや行動力で、新規事業を次々と展開。社会の常識にとらわれないチャレンジ精神がビジネスの成長を支えたといわれています。

デイビッド・ニールマン(ジェットブルー創業者)
ふとした瞬間に思いつくアイデアと、フットワークの軽さを武器にして航空業界に革新をもたらしました。衝動的な面は、周りのチームがサポートする体制を整えてカバー。

ASDの特性を活かした実例

イーロン・マスク(テスラCEO)
自分の強いこだわりとビジョンを徹底的に追求し、周囲のサポートを受けながら革新的なビジネスを展開。独自の視点が大きなイノベーションを生み出しました。

ラース・ヨハンソン・シェレロッド(Unicus創業者兼CEO)
ASDの特性を持つ人材が持つ、論理的思考力や高い集中力を強みとする独自のビジネスモデルを構築しました。発達障害のある人々が社会で活躍できる環境を整える成功例として、ヨーロッパ全域で注目されています。

事例から学ぶ共通点

「強みを思い切り活かす」「苦手を補う仕組みを作る」「周囲のサポートをうまく活用する」。どの事例も、基本となるこの3点を押さえています。ADHDやASDの特性があるからこそ、生まれるクリエイティブさや探究心は経営の大きな武器に変わります。

まとめ:発達障害の特性をポジティブに活かすために

ADHDやASDの特性は、状況に応じて大きな強みになり得る一方、弱みとして現れるリスクもあります。しかし、仲間や仕組み、サポートを上手に活用すれば、こうした波を乗り越え、大きな飛躍へと繋げることができます。

すべてが発達障害のせいではなく、多面的に自分自身を見つめ、最善の戦略を構築することが成功への鍵となります。ご自身の特性をポジティブに活かし、新たな可能性を切り拓いてください。

ADHDやASDの特性と上手く付き合いながら、成果を最大化させたい方へ

行動分析学を取り入れることで、ADHDやASDの特性を「単なる枠組み」として捉えるのではなく、一人ひとり異なる課題をより個別的かつ具体的に分析できます。

もともとは、ADHDやASDの子どもの宿題・テスト勉強・試験勉強など、やるべきことを確実にやれるようにするサポートから始まりました。そのノウハウを大人向けに発展させ、いまはタスクの実行支援も手がけています。過去10年間で3歳から50代まで、幅広い年代の方をサポートしてきましたが、同じ特性の人でも個々の得意・苦手は全く違うもの。だからこそ、「あなたに合った」方法を行動分析学で導き出すことが大切だと実感しています。

まずは無料相談から始めてみませんか?サービスの詳細は、こちらからご覧ください。あなた自身の目標を一緒に掘り下げながら、達成へ向かうための最適な行動をデザインしていきましょう。

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